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ナラ枯れに対する緊急提案

ナラ枯れの始まっている木にメープルシロップを塗布(穿入孔にも散布)する。

健全な木には樹液(蜜)がいっぱい
穿入した穴 乾燥して樹液がない

ナラ枯れの木

持ちこたえている木

ナラ枯れの木は点状の穿入した2mm程度の穴があり、全体に乾燥し、樹木表面の樹液(蜜)を認めない。ナラの木のアトピー性皮膚炎のようである。

 

不思議なことに樹木の見張り番となるべき蟻の姿が一匹も認められない。集合フェロモンが蟻を寄せ付けない効果があるかもしれない。

2つの仮説を立てた。

 

 

1.樹液の少ない木は、カシナガを捕食するべき蟻やスズメバチの到来がなく、食物連鎖が破綻し、集中してマスアタックが成立しているかもしれない。

 

 

2.集合フェロモンは、カシナガ幼虫を捕食するべき蟻を寄せ付けない成分が含まれ、穿入した穴から幼虫を攻撃できないまま爆発的に増殖してしまうかもしれない。

健全なナラの木は木の根元から樹液の存在があり、カシナガの侵入による木くずは認めない。

ナラの木の表面に、少なくなっている樹液の補充(メープルシロップ)を行うことで枯死を防げないかどうか検討した。

糖分だけでなく、香りがあり、集合フェロモンを中和できるかもしれない蜂蜜を選択した。

結果

15本のナラ枯れの木で試行

 

Aグループ:

可能な限り木の根元からメープルシロップを塗布と散布を行った。

 

Bグループ:

ウッドキングは高価なため、スミチオンを含有する殺虫剤で樹木にドリルで穴をあけて散布

 

Bグループ:1~2か月で効果なく枯死したと思われる。一本は途中でAに変更して、樹上の葉は茶色に変化したが、根元近くの枝から出る葉は、紅葉の時期まで緑色を保つことができた。

メープルシロップ塗布のAグループは、4か月経過観察で全体の枯死には至らなかった。

メープルシロップは木くずで塗りにくく木くずでいっぱいの木に塗ることが難しかった。

メープルシロップを塗布後数日後から、これまで認めなかったスズメバチの大群の襲来があった。。

シロップの塗布で、ナラの木に蟻の存在を少数であったが認められた。

考察

殺虫剤の塗布は、ナラ枯れの木に効果が少ないばかりか、カシナガを殺虫できる数少ない蟻やスズメバチのナラの木への襲来までもなくしてしまうかもしれない。

メープルシロップの塗布は、安価で環境への影響も少なく、ナラ枯れの始まっている木や乾燥した木の表面に塗布して、枯死を予防する有効な方法と思われた。

実験) 宮城教育大学付属小学校 6年 片山友康

以上は、夏休み自由研究で発表、さらに秋から紅葉の時期まで大堤沼周辺のナラの木で実験

​メープルシロップを散布↑

←緑色の小枝がかろうじて残る

カシナガの感染があっても生き残る木と枯れる木があって、樹皮の蜜の量が多い木は、持ちこたえている傾向があった。

 

樹皮に樹液のない乾燥した大木でも、メープルシロップの散布と塗り付けで、枯死に至る木では見られない一部枝の生存が認められている。

このことは、メープルシロップの散布塗布により、周辺の孔道が一部温存されて給水が保たれたことを示していると思われた。

右のナラの木も木の上方は完全に5月頃に枯死状態に陥ったが、地表から20cmから1Mの高さにメープルシロップを塗布散布した面の上方の枝の生存が確認された。

この枝は秋の紅葉に時期まで緑色を保ち、周辺の健全な木と同時に紅葉となっている。

枯死に至った葉は、不思議なことに紅葉しないばかりか、落葉もできずに枯れ枝についたままになっていた。

蜂蜜散布した感染木続報

平成29.6/3

上記の枯死化していたナラの木の今年の経過です。

樹皮表面はボコボコに亀裂や大きく多孔化し、卵を加えた2mm大の小型の蟻、左のようなてんとう虫様の昆虫、1cm大の大型の蟻が一ファインダーに同時に見られるような変化があった。

​平成29.6/3

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