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自然力で森を守る
 
近年、地球温暖化の影響かもしれないが、長年かけて成長してきた樹木の立ち枯れの多くの報告がある。
広葉樹では、カシナガキクイムシの穿孔によるナラ枯れ、針葉樹では、トドマツノキクイムシによる食害で、拡大して貴重な樹木が広範囲に急速に失われつつある。​害虫対策としての殺虫剤の散布は、果たして有効だろうか?

ナラの木等の健全な森を作る

1.樹皮に蜜が出ている

 樹液に虫が集まり、蟻など行き来する。スズメバチ、昆虫の他にも、鳥も飛来する。

2.蟻が樹皮を行き来する。

3.木の根元には蟻の多様性があって、木の根元に巣がなくても森の中に、蜜や幼虫や対象物にいつでも襲来できるキャパシティーがある。

​4.それぞれの木々に護衛隊として蟻の縄張りと共生関係がある。

​5.キクイムシの襲来があっても穿孔内に選択的に蟻の兵隊を集結出来る。

​害虫のための殺虫剤の功罪

長年築かれてきた生態系を崩すだけでなく、穿孔に入り込んで捕食する可能性のある小さな蟻を死滅させる可能性がある。

カシナガには、直接体に噴霧しても、樹皮を上方によじ登っていくのが観察されている。

樹皮に入り込んでいる成虫や産卵された卵には、さらに殺虫の効果が期待できない。

​人類への悪影響も懸念される。実際に、殺虫剤の使用で感染の悪化をよく経験する。

​樹皮への蜂蜜塗布

感染木の根元から1m-1.5mの高さに、樹皮に直接蜂蜜を塗布する。フラスで付きにくいこともある。大堤沼の実験では、2016.7月、沼一帯に18本あったフラスを認めた感染木(ナラ枯れ)は、翌年0本になり、産卵から成虫への成長も抑えたことが推察された。このことから蜂蜜塗布が、カシナガの繁殖を、著明に抑制できたことを示している。

感染木への蟻の誘導~穿孔へ

カシナガの穿入孔は、直径約2mm、形は円形、爪楊枝を差し込むとやや斜めに入って、5㎜程度で突き当たる。この小さな穴に入り込んで卵を捕食、あるいは攻撃できる虫は蟻(小型サイズの)程度と思われ、感染木に蟻を誘導できる蜂蜜(自然環境に影響の少ない)を選択して実証した。​感染木は、乾燥していて、カシナガしかいなかったが、蜂蜜塗布することで、コガネムシや蟻の他ダンゴ虫、スズメバチの襲来があった。

2016.7

大堤沼周辺一帯に、紅葉の時期でもないのに、茶色に変色するナラの木を発見し、周辺のほとんどのナラの木にフラスを発見。蜂蜜塗布開始して、観察開始する。

​害虫を捕捉する蟻

ナラ枯れモデルで、小型の蟻の這い上がりを観察(2019.8/15)

​1㎜程度の蟻が、蚊(害虫の想定)を捕捉している様子

2017.6~2018

翌年から、フラスの完全な消失、穿孔の拡大、樹皮の多孔質化

2019.8

ナラ枯れモデルの作成、フラスの存在で、蟻の這いあがりの抑制を発見する。

130.JPG
フラス(木くず)の除去、洗い流し

カシナガの感染木に何故蟻や虫が少ないのかを検討した。フラスの存在で蟻が這いあがりにくい条件になっていることが判った。ナラ枯れモデルを作成、木の根元にフラスを敷き詰めると蟻の這いあがりを抑制していた。害虫の独壇場になってしまうと一気に枯死に至る一つの理由と思われた。

​蜂蜜塗布とともに、木の根元のフラスの除去、樹皮のフラスの洗い流し(自然界では雨)、木の根元に蟻のいる土壌を移植することが重要と思われた。

ナラの木の穿入孔内で
幼虫を捕捉する様子

 

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